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建設業から省電力LEDパネル開発へ
近年、商業施設、ホテル、オフィスビル、ブランドやイベント会場などでは、
大型のLEDディスプレイや内照式の照明が設置されています。
大型ディスプレイには多数のLEDが集積され、画面サイズが大きくなるに伴いLEDの
発熱や消費電力の増大などの問題があり、施工が簡単で低コストのLEDディスプレイの開発が望まれています。有限会社T.M.C+徳島大学とのマッチング
本事業は、かがわ産業支援財団援財団による、「知財マッチングinかがわ」により
徳島大学の特許技術(特願2018-549067)を弊社にてライセンス導入する機会をいただき実現しました。
弊社の人材・スキルの多様性等を創出し、事業の開拓、製造、モノづくりに関する技能を持つ人材という自社の強みを生かし、製造業への転換に取り組む事となりました。
ハニカムで創るLEDディスプレイとは
ハニカムLEDディスプレイは、徳島大学で生まれた「面発光技術」を用いて作る新しいLEDディスプレイです。
ハニカム(蜂の巣)状の筐体にLEDを配置することで、「均一な面発光」が簡単に得られ、
ディスプレイの大型化と消費電力の削減を同時に実現します。
徳島大学の研究グループは、蜂の巣や昆虫の複眼などに見られる「ハニカム構造」を応用し、
均一な面発光を有するLEDディスプレイを開発しました。
開発したLEDディスプレイは、ハニカム状に配列された「正六角形の面光源」をディスプレイの画素として用います。
本方式では、ディスプレイ筐体のハニカム構造内でLEDの光を散乱させることによって均一な面発光が得られます。
これにより、一般に使用されるLEDパネルに比べ、単位面積辺りのLED使用量を削減でき、
結果としてディスプレイ全体の消費電力の低減が図れます。
さらにハニカム状の筐体は、LEDが密集しない構造のため、筐体内に特別な放熱器を必要とせず、
紙や合成樹脂、木材など、安価な材料を使用でき製造コストの削減に繋がります。
比 較
内照式アクリル素材(色ムラ白飛び)ハニカムボックス使用(均一発行)- ハニカムLEDディスプレイの1画素分のユニットと一般的な内照式の電飾との輝度画像とカラー画像の比較です。
いずれも、前面にアクリルパネル、表面にフィルタが貼られ、LED光源は同じ仕様です。
LED光源を同じ明るさで照射すると、ハニカムLEDディスプレイではハニカム状に「均一な面発光」が得られています。
一方、内照式では、アクリル素材を起因とする「色ムラ」や光源である中心部の「白飛び」が顕著に見られます。
つまり、ハニカムLEDディスプレイを用いると、光源の存在を隠すことができ、さらにフルカラー(赤・緑・青)による混色の階調表現が細かくできます。
この特性を活かして、大きな面発光をする「ハニカム画素」をつくり出し、多彩な色表現が可能なハニカムLEDディスプレイを構成できます。
特徴・メリット
- ① 発色
- LEDに見られるグレア(ぎらつき)や白飛びを抑え、優しい自然な発色,精細な階調表現(グラデーション)
- ② 大型化
- 面発光により視認性が向上、少ない数のLEDで大画面を構成可能
- ③ デザイン性
- ハニカム状のユニークな構造,画素積層時の堅牢性
- ④ 装飾性
- LEDディスプレイに映像や文字を流せ、ディスプレイ形状を自由に変形可能
- ⑤ 素材
- 紙や木材を用いて制作可能、資源サイクルを意識した持続可能な開発を実現
- ⑥ 消費電力
- ディスプレイの単位面積辺りの消費電力を最小化、設置場所を選ばない